倒産を経てANAよりいいと言われるJALの決算予想は?

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決算説明

倒産を経てANAよりいいと言われるJALの決算予想は?

今回は、新型の影響を大きく受けたJALの決算について予想していきたいと思います。JALは一度倒産して債務がなくなっていることもありANAよりいいとも言われています。

【決算予想】JAL(9201)倒産を経てANAよりいいと言われるJALの決算予想をしてみた!

どういう会社?

JALは、ご存じの通り、日本トップの航空会社になります。前回のANAの動画でも説明しましたが、JALはワンワールドに所属しています。

決算発表

まずは、前期の数字の確認をしていきます。ANAと同じく第四四半期は業績が大きく下がり減収減益になっています。2019年度の第四四半期のみの決算を見ると売上2800億円で営業赤字は200億円程度になっています。ANAが580億円の赤字を出したことを考えると大したことはないとも考えることができるかもしれません。

業績推移

この通り、過去の業績を見ていると大体年間1700億円程度の営業利益を上げることができる会社といえます。ANAと比較すると、売上は7割ですが、営業利益はANAよりもあるので、確かにANAよりも負債が少ない分、営業利益を稼げる体質になってそうです。

チャート

ANAと同じく新型の問題が起きてから株価は大きく下落しています。ただ、財務体質がいいと思われるJALの方がANAよりも大きく株価が下落している点は注目かもしれません。

セグメント別の業績

まずは、セグメント別の業績ですが、ANAとは少し区分けが異なります。その他収入の中にANAでいうところの旅行事業なども入ってきそうです。2019年第四四半期でも売上を10%落としていますので、その他収入もそれなりに新型の問題を受けているようです。

航空事業

JALは、国際線のほうが国内線より少し多くなります。ここは、ANAと比べて不利な点といえるかもしれません。

変動費と固定費の割合は?

変動費と固定費の割合は明確には発表されていません。2019年第四半期の営業費用がANAよりも大きく減少しています。ANAよりは固定費が低い体質ではないかとは思います。ただ、今回は固定費6割、変動費4割で計算してみようと思います。

第一四半期の売上は?

では、2020年第一四半期の売上を予想してみましょう。月次ですが、国内線はANAより少しよく国際線はANAより少し悪いです。ただ、50歩100歩ともいえるのでここはANAと同じと考えて、国内線はひと月15%、国際線はひと月5%と仮定します。

JALの通常時の四半期の売上は国内線1200億円、国際線1300億円です。これにそれぞれの%を掛け算すると国内線の売上は180億円、国際線の売上は65億円となります。貨物は通常時と変わらず220億円とします。その他収入が非常に難しいのですが、30%程度落として通常時800億円のところを560億円と考えます。よってすべてを足すと、通常時3500億円の四半期の売上は、1025億円になります。

第一四半期の営業費用は?

次に、2020年度第一四半期の営業費用を考えてみましょう。通常時の四半期の営業費用は、3300億円程度です。固定費は60%で約2000億円。残りの1300億円を売上と案分すると380億円程度になります。営業費用はすべて足すと2400億円程度になりそうです。約2400億円-1025億円の約1400億円が営業損失になります。

第一四半期の決算予想

では、2020年度第一四半期決算を予想してみましょう。これまでのことをまとめると売上1000億円程度、営業損失1400億円程度となりそうです。ANAが売上1400億円で営業損失1800億円でしたので、JALのほうが少し良い程度でしょうか。

通期の決算予想

最後に2020年度全体で計算してみましょう。ANAと同じ国内線60%、国際線10%で計算します。その他の部分は20%で計算することにします。売上は国内線2160億円程度、国際線390億円程度、貨物660億円、その他が1920億円程度になりますので、売上は合計すると5100億円程度になります。営業費用は、固定費が6000億円、変動費が2000億円程度になります。

第一四半期と足して考えると売上6100億円程度、営業損失が4000億円〜5000億円程度になるのではないでしょうか。ANAより赤字が1000億円程度少なくなりそうです。

財務状況

現状の純資産は1兆1000億円とあります。今回の営業損失が4000億から5000億となると純資産は7000億円程度になることが想定されます。現在、自己資本比率が58%と非常に高いので、減っても40%以上は保つことができそうです。ここがANAとの大きな違いといえるでしょう。

結論

2020年度第一四半期は、売上1000億円で営業損失1400億円程度と予想します。通期では、売上は6000億円から7000億円、営業損失が4000億円から5000億円程度になると考えています。こちらもANAと同じく減損損失は含んでいません。

ANAより少しまともですが、それでも決算内容は厳しいです。しかしながら、財務状況が大きく違います。JALは今回の赤字を受けても十分にいい財務状態を保つことができます。それが大きな差といえるでしょう。

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