サイバーエージェント（4751） 藤田社長に投資できるか？
今回は、7月22日に決算発表のあったサイバーエージェントについて説明していきます。
どういう会社？
サイバーエージェントの社長は、藤田晋氏になります。この会社に投資をするということは、藤田社長に投資をするということになります。事業としては、大きく３つに分かれていて、広告事業、ゲーム事業、そして現在注力しているABEMAが含まれているメディア事業の３つになります。このメディア事業が、現在年間200億円程度の赤字を出しています。
決算発表
IT系の会社ですので、新型の問題は小さいと思いがちですが、この会社の現在の主力事業は広告事業になります。メディア事業も広告で売上を上げている部分もありますので、新型の影響はそこまで小さくない会社ともいえます。第三四半期累計で見ると増収増益を達成しています。営業利益などを見ると第三四半期で通期の下限は超えているので通期で上方修正してくるのではと思う人もいるかもしれませんが、この会社は決算賞与で社員に報いる会社ですのでそこまで大きな上方修正は期待しないほうがいいでしょう。
四半期決算
四半期での数字を見ているとそれなりに新型の影響を受けたことがよく分かります。前年度の第三四半期と比べると営業利益は減少しています。特に主力の広告事業の減益が厳しかったといえます。
業績推移
2016年から売上は増えていますが、営業利益が増えていません。これは、ABEMA事業への投資が大きく響いているからです。年間200億円程度の赤字を出しています。
指標
指標も、ABEMA事業で大きく営業赤字を出していることにより割高な数字に見えてしまっています。また、純利益も子会社が上場していたりすることで少数株主持分が発生して少なくなっています。ABEMA事業がなかったとすれば営業利益500億円以上叩き出せている会社なのでその点から見ると割高な会社とはいえないと判断しています。
広告事業
サイバーエージェントは、華やかな会社というイメージを持つ方が多いと思いますが、過去から今にかけてサイバーエージェントの主力事業は間違いなくこのネット広告の代理店事業です。売上も営業利益も非常に順調に増えてきています。ただ、ネット広告の代理店事業というのは地道な仕事が非常に多いです。もし、就職するとしてもサイバーエージェントの華やかな部分だけに目を向けないほうがいいといえるかもしれませんね。
ゲーム事業
ゲーム事業については、素晴らしいの一言です。次々とヒット作を生み出しています。波はあるのですが、この数年の間、四半期で営業利益を平均50億円以上稼いでいます。特に今年の第二四半期は四半期だけで営業利益を100億円以上叩きだしています。今後も引き続きヒット作を出すことが期待できる会社といえそうです。
メディア事業
このメディア事業が、現在育成中の事業になります。この事業が始まって以来、累計の営業赤字は700億円にも上ります。現在このABEMA事業の指揮をとっているのが藤田社長になります。創業者社長で大株主だからこそできることといえます。違う見方をするとこのようなテレビ事業は、藤田社長がいなければ絶対に生まれなかった事業ともいえるのではないでしょうか。今後は、5Gの環境も整ってきます。それに伴って今まで以上に動画の存在は大きくなることが想定されます。今後の飛躍の可能性を感じさせる事業になります。
投資事業
次に、サイバーエージェントは、様々な分野に投資を行っています。そのうちの一つが前回の動画で紹介したマクアケになります。今後もサイバーエージェントからは、様々な新しいプロダクトが産まれてくることでしょう。
結論
サイバーエージェントは、広告事業とゲーム事業に関しては、合計で年間営業利益500億円程度稼げるでしょう。これに関しては藤田社長がいなくてもできる事業ともいえます。しかしながら、今後のサイバーエージェントの最大の焦点は藤田社長が指揮をとっているメディア事業です。もし、このメディア事業が黒字化できれば現在の株価よりもはるかに上昇することが想定されます。
また、今後新しい時代になった時でもサイバーエージェントならその変化に対応していくことが可能な企業だと思います。その点で買いと判断します。ただし、藤田社長を信用できないと思う人であれば投資はしないほうがいいでしょう。まさに、社長に投資をする企業といえそうです。
ただし、今回の四半期の決算は、世の中のコンセンサスと比べてどうかは非常に難しいのですが、市場はネガティブに反応しそうですね。
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