無配転落のパーク24(4666)の今後は?新型の問題との関連は!
今回は、6月15日の引け後に2020年10月期の中間決算を発表したパーク24について説明していきます。
どういう会社?
パーク24は駐車場経営が7割、レンタカーとカーシェア事業が3割の企業になります。駐車場経営は、タイムズという名前で運営されていますので、自動車を運転している人であれば一度は目にしたことがあると思います。タイムズカーレンタルも旅行などでレンタカーを使う人であればよく聞く名前でしょう。一般消費者の身近にある企業といえます。
決算発表
中間決算は、赤字転落しております。そして、今期の予想についてもさらに赤字が増える見込みです。今回の決算は、数値だけを見たら間違いなく厳しい決算といえるでしょう。
指標
今回の決算発表にて指標は大きく悪くなってしまいました。PERは赤字のため算定不能。従ってROEとROAもマイナスになっています。配当利回りも無配に転落しています。PBRも成長企業と高配当銘柄として位置していましたので2019年実績ベースで3.75倍と非常に高くなっています。
駐車場経営の今後
駐車場運営は、パーク24の根幹事業になります。売上は7割、利益の8割をこの事業で占めています。月次を見ていくと売上が4月から大きく下がっています。ここで注目なのが売上原価です。売上が上がっても下がっても売上原価は変わっていません。つまり、駐車場運営事業は固定費だけで変動費がない事業ということになります。
今回のように売上が大きく下がるとそれがそのまま損失に繋がってしまいます。しかしながら、売上が戻ればそれがそのまま利益に繋がることになります。
この5月の数字の前年比66%の数字が底だと言えると思いますが、これがいつ回復するか次第といえるでしょう。
レンタカー、カーシェア事業について
レンタカー、カーシェア事業をパーク24ではモビリティ事業と呼んでいます。カーシェアリングが広まっていますが、やはり旅行でのレンタカー需要が大きいため、旅行関連事業と言えます。駐車場運営以上に新型の影響を受けた事業になります。詳細は、決算からは分かりませんが、こちらの事業は駐車場運営以上に厳しいといえます。
結論
駐車場需要とレンタカー需要の両方が外出自粛の影響をもろにうけるため、パーク24の今後は新型の問題の行く末にかかっていると言えます。新型の問題は、ワクチンにしろ、自然感染にしろ、最終的には集団免疫が獲得されるまで解決されません。もちろん、それまでには経済活動は再開されますが、移動するという行為自体は確実に縮小します。また、旅行キャンペーンなどで一時的に回復する可能性もありますが、第2波でそれが消滅する可能性も否定できません。つまり、今後の新型の問題の広がり次第の企業になりそうです。財務状況は、現時点で自己資本比率が健全な状態を表す30%を下回っていて23%と悪くなっています。
今回の数字は、月次を見ていればある程度分かることなのですが、なかなか強烈なインパクトがあります。しかも、今まで高配当銘柄だったのが無配に転落しております。明日以降厳しい株価になりそうです。少なくとも現時点での株価では売り推奨とはなります。しかし、新型の問題が解決すれば必ず復活する企業といえます。数年単位で持つのであれば、明日以降に打診買い程度で参入するのもありかと思います。
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