コロワイド 新潮社から債務超過ではと突っ込まれたが?
今回は、株主優待で大人気のコロワイドについて説明していきます。つい最近、新潮社から出された記事でも話題になりましたね。
どういう会社?
コロワイドは、傘下に多くの飲食店のブランドを抱えています。北海道・ラパウザ・やきとん酒場あたりが有名でしょうか。
また、子会社のアトムとカッパ・クリエイトが上場しています。それ以外にも、牛角や温野菜を傘下にもつレインズインターナショナルも子会社です。ただし、牛角や温野菜は後述する株主優待が使うことができません。
そして、現在は大戸屋に対して企業買収を行っていることでもニュースになっていますね。よくも悪くも外食界では、非常に存在感のある会社といえます。
決算発表
本スライドは、2020年3月期の決算になります。新型の影響は3月期だとそこまでないのですが、かなりひどい決算といえるでしょう。新型の影響は22億円程度で他に減損やら株式の損などでこの金額になっています。
月次
月次に関しては非常に厳しいと言わざるを得ません。4月と5月は、前の動画で投稿したすかいらーくより悪い状態です。コロワイドは、居酒屋形式のお店が非常に多く、現在の新型の問題を一番受けやすいともいえるでしょう。今後も当分の間は居酒屋形式のお店は厳しい状況が続く可能性があります。今後に向けても非常に厳しいといえるでしょう。
業績推移
過去の業績も、一番いい時を見ても一株利益でみれば10円程度しか稼いでいません。現状の株価から見ればPER100倍以上になります。少し前は株価3000円を超えていたことを考えるとPER300倍以上だったことになります。
指標
指標面は、今期は赤字ですので、特に見るべき点もありません。先ほどの業績推移にあったとおりこの数年で一番稼げている時の数字を持ってきてもPER100倍以上になります。指標面では、異常なほどの割高な銘柄になります。
四季報では何故か黒字?
四季報の今期の業績が、何故か黒字転換になっています。売上が大きく下がる予想なのですが、この数年の中で最大でも営業利益50億円の会社が営業利益80億円を稼げることになっています。四季報では、不採算店削減とかを理由にあげていますが、個人的にはとてもこのような数字が出るとは思えません。
利益剰余金がマイナス
財務状況もかなり厳しい状況と言わざるを得ません。利益剰余金がマイナスに転換しています。財務状況の数値だけを見れば倒産する可能性もある、と思う人もいるかもしれません。
新潮社の記事
新潮社の記事は、のれんを減損損失すると実質的に債務超過になると指摘しています。コロワイド側はそれに反論しているわけです。コロワイド側は、監査法人を通して決算を出していますので問題ないといえるでしょう。ただし、こののれんが減損が必要かどうかについては判断が分かれそうです。違う監査法人であれば計上する必要があると指摘する可能性もあるでしょう。新潮社の記事に関わらずこののれんの存在は、リスクとして意識せざるを得ないでしょう。
株主優待
PERとPBRが非常に割高な状態に保てるのは、この株主優待のおかげといえるでしょう。500株保有することで年間4万円の株主優待が取得できます。現在の株価でみれば優待利回りは5%を超えてきています。さらに、この株主優待は1円単位で使用することができる点も人気の理由でしょう。
今まで、PERやPBRや財務状況を説明してきましたが、この株主優待のおかげで現状の株価を保っているといえます。
株主優待廃止リスクと倒産リスク
株主優待目当てで、この会社の株を保有する人にとっての最大のリスクが株主優待廃止リスクと倒産リスクでしょう。株主優待でこの株価を保っていることは会社側も間違いなく認識していると思われるのでかなりのことがなければ優待廃止はないと判断しています。
倒産リスクに関しては、様々な株を保有していることから簡単に倒産はしないと判断はしています。ただ、新潮社の指摘もそうですが、大戸屋の問題も含めて何が起こるか分からない会社ともいえそうです。
結論
優待利回りは、5%を超えていますので買いの判断にしてもいいとは思うのですが、財務状況は劣悪な状態です。株主優待を踏まえても割高であることは間違いないでしょう。その他、のれんの減損損失の可能性もそれなりのリスクとして意識せざるを得ません。その点から様子見としたい銘柄です。
また、株主優待を取得するためには500株必要で合計70万円以上の資金が必要になります。その金額の高さも躊躇する要因の一つになります。
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