Aiming「ドラクエタクト」をリリース後に急落!決算への影響は
今回は、「ドラクエタクト」で話題のAimingについて説明していきます。
どういう会社?
Aimingはゲームアプリの開発の会社になります。今までは、「剣と魔法のログレス」が有名タイトルでしたが、現在では間違いなく「ドラクエタクト」が有名でしょう。ただし、ドラクエタクトをリリースをしている会社はスクエアエニックスで、Aimingはそのゲームを開発している会社になります。少し前にドラクエウォークがスクエアエニックスとコロプラの共同制作でリリースされたのと同じ形式になります。
決算発表
2020年の第一四半期の決算はこの通りです。売上も11億円程度になり、営業損失が1億円程度になります。半期の予想も出しており売上も営業損失も第一四半期の倍になる形になります。
業績推移
過去の業績に関しては、一言で言ってぼろぼろです。
MSワラントを発行
このようにMSワラントの発行をしています。MSワラントを行う企業というのは、銀行などが融資してくれない会社ということになります。MSワラントを発行している時点でかなりやばい会社と認識して問題ないでしょう。
指標
赤字の会社ですし、あまり指標を見てもしょうがないのですが、時価総額で見ると265億円の会社になります。過去の数字から見ると今の時価総額265億円というのは異常な評価としかいいようがありません。何故このような評価になっているかといえば、ドラクエタクトへの期待が大きく、株価が高いことが要因になります。
ドラゴンウォークから見てみる
ドラクエタクトの売上を推定するために、類似アプリであるドラゴンウォークをみましょう。ドラゴンウォークは、スクエアエニックスとコロプラの共同制作のゲームです。2019年9月にリリースされたので、もうすぐ1年になります。リリース当初は、ゲームの売上ランキング1位にもなりました。リリースからの3か月半で350億円の売上をあげており、1年目の売上は大体600億円程度が見込まれています。コロプラの2020年1月から3月の決算では、2019年発売のソフトの売上は35億円程度とあります。そして、2020年1月から3月のドラゴンウォークの売上が136億円程度になります。これから計算すると大体25%がコロプラ側の取り分のようです。Aimingとコロプラでは、会社規模が全然違うので同じ契約条件ではない可能性もありますが、今回は25%をAiming側の取り分として考えていきます。
ドラクエタクトがドラゴンウォークの半分売れた場合
まず、ドラクエタクトの売上を考えてみます。現在ドラクエタクトの売上ランキングは第3位です。しかし、ドラクエウォークの初期の売上はものすごかったので、ドラクエタクトの売上はかなりそれを下回ることになります。そこで、ドラクエタクトの売上をドラゴンウォークの売上の半分と仮定します。ドラクエウォークは、5か月半で450億円程度の売上があったので半分は225億円となります。さらにそれの25%である60億円程度がAimingの取り分ということになります。つまり、ドラクエタクトによって2020年は通期で60億円程度の売上が増えることになります。
2021年についても考えます。現在のドラゴンウォークの月商は20億円程度に落ちてきていますので年間で240億円程度の売上になります。ドラクエタクトの売上も半分と想定すると120億円程度になります。それの25%なのでAimingの売上は30億円程度増えることになります。
2020年の現状通期で40億円程度の売上がありますのでドラクエタクトの売上60億をのせることができれば、売上は100億円になります。売上総利益率を60%と考えれば60億円が売上総利益になり、販管費が年間32億円程度あるので営業利益が28億円程度になります。
2021年は、ドラクエタクト以外の売上が40億円のままと想定すれば売上は70億円、売上総利益は42億円、販管費も32億円のままとすれば営業利益は10億円となります。
PER換算をすると
2020年の営業利益が28億円ですので純利益は通常であれば17億円程度になります。現状のPERは15倍程度になります。2021年は営業利益が10億円ですので純利益は6億円になりPERは40倍以上となります。ただし、実際のところは今までの営業損失がたまっていますので純利益はもう少し高くなることが想定されます。
ドラクエタクトがドラゴンウォークの4分の1売れた場合
また、ドラクエタクトがドラゴンウォークの4分の1しか売れなかった場合も計算してみます。そうすると2020年通期では、売上は70億円、売上総利益が42億円、営業利益が10億円。2021年は売上が55億円、売上総利益が33億円、営業利益が1億円程度になります。
ゲームアプリの特徴
ゲームアプリの特徴として、一回ヒット作が出来たからといって次に繋がるわけではありません。Aimingは過去にヒット作がまともになく今回はドラクエの名前を借りてヒット作ができるかどうかという会社になります。継続してドラクエタクトのように売れるゲームが作れるかについては、大きな疑問があります。
結論
ドラゴンタクトがドラゴンウォークの半分売れた場合と想定しても今期のPERは一番いいシナリオで考えても15倍程度になります。来期以降は影響度はどんどん低くなっていくことでしょう。来期以降もドラクエタクトと同じ売上を上げるアプリを作り続けていかない限りは、長期的に考えれば間違いなく今の株価は割高と言わざるを得ません。
そして、現状の売上ランキングからは判断するに、個人的にはドラクエタクトはドラゴンウォークの半分も売れないのではないかと思います。
ただし、ドラゴンタクトにはこれからまだ多くのイベントを用意していることでしょう。想定に反して大きな売上を上げる可能性もあります。そうすれば、株価は大きな上昇をする可能性もあるかと思いますが、個人的にはそれは投資ではなく投機になるのではないでしょうか。また、短期的には株価は大きくぶれる可能性もありそうです。デイトレードなどで短期取引をするには絶好の株といえるのかもしれません。
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