ANA(9202）新型の影響で、営業損失1600億円に！
今回は、2020年7月29日の引け後に決算発表のあったANAについて説明していきます。
どういう会社？
ANAは、ご存知の通り日本トップの航空会社になります。航空会社は大きく3つに分かれるのですが、ANAはスターアライアンスグループに属しています。JALとANAの関係性では、ANAのほうが大きく売上規模ではJALはANAの7割ぐらいになります。
決算予想
前回、このチャンネルにて、決算予想を行いました。よろしければご覧ください。
その時は、ANAの第一四半期の売上は1300億円、営業損失を1800億円程度と予想しました。通期に関しては、売上8000億円、営業損失5000億円から6000億円と予想しました。ただし、これにはANA側での今期のコストカットは含まれておりません。
決算発表
今回の発表で、ANAの売上は1200億円、営業損失は1600億円程度になりました。私の予想より売上は100億円低く、営業損失も200億円低くなりました。売上が低くても営業損失を抑えることができたのは、人件費を削ったりして、経費削減を行ったことが一番の要因かと思います。事前報道でも、営業損失が1600億円と出ていましたので、予想通りの決算発表といえます。
業績推移
この通り、過去の業績を見ていると大体1500億円程度の営業利益を上げることができる会社といえます。今回の第一四半期の営業損失が1600億円ですので、1年分の利益が消滅したことになります。今後も厳しい業績が続くことになると思います。
チャート
新型の問題発生後に、株価は大きく下落しました。しかしながら、今期はかなりの営業損失が見込まれていますので、その割には株価は下がっていないように見えます。
財務状況
財務状況は、この四半期で大きく悪化はしていますが、まだ自己資本比率は30％以上をキープしています。まだまだ赤字が増えることになりますが、1年程度であれば倒産はしなさそうではあります。しかし、今後赤字が増えれば自己資本比率は20％台までに落ち込みそうですね。
セグメント別の業績
セグメント別の業績は色々とわかれてはいますが、航空事業の売上と赤字が大きすぎますね。注目ポイントは航空事業になるのは間違いありません。
航空事業
国際線は前年比5％、国内線は13％程度になっています。貨物郵便は、健闘したほうではないでしょうか。
月次
月次に関しても、前回私が予想したよりも、悪い方向へいっていそうです。国内線は、6月も20％程度にしか戻っていませんし、7月と8月も30％にも届いていない状況です。現在も新型の感染者が増えている傾向があるので、今後の月次も厳しそうですね。国際線に関しては、予想通りの結果ですね。
Peach
Peachに関しては、8月には前年比プラスになる予想をしています。成田・釧路間と成田・宮崎間が新規就航するのでその要因も大きそうですが、Peachの方はかなり早い回復を予想しているみたいですね。
通期予想
四季報では、売上1兆1000億円、営業損失3700億円を想定していますが、こんなのは現状はっきりいってあり得ません。第二四半期以降、国内線が60％で国際線が10％と計算しても売上は8000億円程度でした。現状国内線が60％まで戻る見込みはまったく持ってないといえるでしょう。もし、国内線が第二四半期以降50％程度であれば売上は7000億円程度まで落ちるのではないでしょうか。営業損失に関しては、今回も経費節約などを含めて行ってはいるので前回は売上8000億円で営業損失を5000億円から6000億円と予想しましたが、営業損失に関しては5000億円程度まで圧縮してきそうではあります。
結論
今回の決算は、事前報道もありましたし、明日の値動きにはフラットだと考えています。また、当分の間は様子見の銘柄になります。個人的には、今回の新型のダメージをもっとも受けるであろう会社なのですが、株価が思ったより下げていない印象があります。来期以降復活をすれば今の株価は安いとは思われますが、来期以降も簡単には回復することはないでしょう。さらに、今回の件で財務状況がかなり悪くなります。その点を考えれば現状の株価は割高な印象はあります。ただ、株主優待も人気な銘柄なのでこれより一段の下げもなかなかないのかもしれませんね。
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