良品計画 米国無印良品が倒産!日本の無印良品はどうなる?
今回は、2020年7月10日の引け後に決算発表のあった良品計画について説明します。この決算発表日のザラ場終了直前に米国無印良品が倒産というニュースも入り、騒がしい決算日になりました。
どういう会社?
良品計画は、無印良品の運営会社になります。現在、世界各地に進出しています。
特に、東アジア地域での良品計画は大成功をしています。東アジア地域の良品計画は、国内事業とほぼ同等の営業利益を出すことができるレベルにまでなってきています。
今回、米国無印良品は倒産しましたが、それ以外に欧州にも進出しています。
決算発表
まず、今回の決算で注意点としては今期は6か月決算になることです。従って、今期は2020年3月1日から2020年8月31日までになります。新型の問題が一番大きい半年で締めてしまおうという理由なのでしょうか。
今回は、3月1日から5月31日までの決算は赤字になりましたが、新型の問題でお店も閉めていたこともあり大した問題ではないでしょう。通期決算も赤字になります。6月1日から8月31日は売上は戻ってきている予想ですが、利益はほぼなしという予想になります。また、米国無印良品の倒産は、本決算には影響なしとのことです。
業績推移
この数年、業績の停滞が起きているといえそうですね。2020年2月期は、大きめの減益となっていますが、ここは新型の影響がそれなりにありますね。
指標
今期は、赤字なので前期の実績を元に数字を出しています。PERは、15倍程度になります。一番業績のよかった2019年で見るとPERは10倍程度になります。
月次
月次に関してはニトリと比べると物足りないところもありますが、ニトリよりも高価格路線な点と空港店舗などインバウンドの売上も大きいことから仕方がないと言えるでしょう。
6月はインバウンドの売上が皆無ですが、しっかりと売上が戻ってきている点は評価できるでしょう。
財務状況
このように、良品計画の財務は非常にいいといえるでしょう。今回の件で、長期借入が700億円増えていますが、新型の問題が長期化することを想定して、現金を確保しているようです。緊急事態宣言が出た、2020年3月1日から5月31日までの3か月間でも赤字が高々40億円程度です。再度緊急事態宣言が出ても、企業としては問題なく耐えられるでしょう。
チャート
2018年6月に4100円という株価を付けて2年で3分の1の株価に落ち込んでいます。特に新型の問題が起きる前の2020年1月あたりからの下落が厳しいです。2020年1月は、無印良品のアプリがつながらなくなるというニュースもありました。ネットストアも販売を停止しました。このニュースを契機にして、株価が大きく下落していきました。そして、このニュースに合わせて、良品計画は中国市場で多くの店舗を展開しているので、新型の問題の影響を受けるのが他の会社より早かった点も他の株より大きく下げた一因になります。
米国無印良品の倒産
米国無印良品が倒産しましたが、このスライドの通り、ずっと赤字の事業になります。特に2018年に出店した大型店舗に関しては大きな失敗だったようです。2020年2月期には1億円以上の赤字を出しています。米ドルで書かれているので分かりにくいかもしれませんが、売上は10億円程度で営業損失が1億円程度になります。
今回、米国無印良品は倒産しましたが、無印良品全体から見たら0.3%程度の事業になります。赤字の事業が倒産するので、来期以降はプラスの影響もありそうですが、事業規模が小さすぎるのでほぼ影響なしといえそうです。
前期の地域別の業績
これは2019年3月1日から2019年5月31日までの業績になります。通期で見ると中国の新型の問題が絡むのでこの範囲に絞りました。このように、国内事業と東アジア地域でほとんどの売上と利益を稼いでいます。また、東アジア地域の方が国内より営業利益率が高いのも注目点といえそうです。
今期の地域別の業績
今期の地域別の業績では、全地域で売上も利益も落としていますが、東アジア地域は新型の問題の影響範囲が早く少なくなっているので黒字をキープしています。今後も成長の中心は東アジア地域といえそうです。
結論
米国無印良品の破産は、良品計画には影響なしといえるでしょう。
問題は、今後国内と東アジア地域で新型の問題が解決した時に、前の状態に戻ることができるかどうかになります。個人的には問題なく前の状態に戻ることは可能と判断しています。特に東アジア地域では期待できそうです。また、アプリやネットストアが止まった問題に対しても楽天やAMAZONで販売するなどの対応も取っています。
以上のことより、現時点の株価は、2014年の水準まで落ちてきているので、長期的には買いと判断します。最大のリスクは、再度の緊急事態宣言の発令ですが、良品計画の企業存続には何の影響もないので、そこが最大の買いのチャンスといえそうです。
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